文化祭企画作品集1−詳細記事001

壱組伍組学級新聞(12月号)より
 11月28日、文化発表会で3年1組と3年5組は、合同で巨大壁画を展示しました。絵柄は自分たちのクラスの集合写真を元にしたもので、出展名は「Mosaic Art 情報コースの肖像」。何と縦8ートル、横11メートルの大きさで、その出来栄えを目にした多くの人が感嘆の声をあげました。
 心配していた前日からの雨も上がり、朝の7時30分、いつもより早く登校してきた生徒たちの手で、最後の組み立て作業が行われました。校舎の屋上から7本のロープを垂らし、「情報コースの肖像」の上辺七ヶ所に結びつけて、一気に引き上げました。ちょうど朝日が校舎を照らし、鮮やかに「情報コースの顔」が浮かび上がったのです。
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 制作を振り返って
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 作品は、一片2.5cmの正方形の色紙を一ドットとし、約15万ドットの色紙を貼った壁画です(一部、一片1.25cmの色紙も使用)。大きな壁画などはよく他校の文化祭などで作られていますが、写真を加工して、それを貼り絵にする方法は、最近のパソコンの処理能力とおかげでもあり、また、どこの学校でもまだ発表されていない新しい企画ではないかと自負しています。
 完成までに約一ヶ月半。ご存知の通り、北淀高校には普通科の中に「情報コース」があります。2年前に「コース制」が導入されて、このコースを選んだ生徒が現3年1組と3年5組で、彼らが「情報コース」一期生となります。彼らは日々、「情報処理」の授業の中で、ウィンドウズ、ワープロ、表計算、画像処理、プログラミングなどを習いながら、コンピュータに親しんできました。そこで最後の文化祭にのぞむにあたり、「情報コース」らしさを出せる作品が出来ないものかと考えました。  また、単にコンピュータを使って動画を作ったり、ゲームを作ったりする企画も考えましたが、今一つ良い企画は思いつきませんでした。普段使っている14インチの画面を越えた企画はないだろうかと考えたときに、貼り絵という原始的な作業をみんなで協力してすることで、コンピュータ作品を越えられると考え、この作品ができたのです。
 このように書いてみると、2クラス65人が文化発表会にむけて写真を撮影し、撮った写真を見ながら、制作していったように聞こえますが、実は多くの生徒は作品が何になるかわからないまま当日を迎えたのです。
 全ての企画は一部の生徒と担任しか知りませんでした。10月中旬に卒業アルバム用だといって、いきなり集合して写真を撮り、係りの者で画像処理をし、設計図(色紙の種類を文字で表示)を作りました。それが終って、全員による作業が始まりました。敢えてどんな絵柄になるかを公表せずに、毎日、色紙を小さく切る作業、設計図を台紙に写す作業、そして台紙に紙を貼っていく作業が続きました。まさか写真を使っているとは思っていなかったせいか、何か漫画のキャラクタでも出来るのだろうという噂が流れ、それでも一生懸命、誰一人手を抜かずに作業は続きました。
 だんだん完成が近づくと全体像が見えてきそうなものですが、意外にも当日まで絵柄は隠し通せたのです。それは、あまりにサイズが大きかったので、ただのまだら模様でしかなく、離れて見ないと何の絵かわからなかったのです。
 そして当日、壁画は屋上から吊り下げられました。一生懸命作った自分たちの顔を目の前にして感動しなかった生徒はいなかったでしょう。企画を知っていた担任でさえ感激してしまいました。残念ながら、カラーの写真でご紹介できないのが残念ですが、事後のアンケートからも何となく、作品がどんなものだったのか、想像してもらえると思います。





学級新聞第2〜4面より
 文化発表会を終えてから、自分達で作った「僕たちの肖像」を見て、ああ、訳もわからずやってきたことは、こういうことだったのかと感心した。一つのことをみんなで協力して素晴らしいものを作り上げたとわかったとき、今まで、中途半端に何事も済ませてきた自分が一番感動した。そしてあまり人との協力というものが好きでなかった自分が、それから人に協力してもいいとだんだん思うようになっていた。やって良かったと本当に思った。(じゅんいち)
 遠くから見ると綺麗だったらしいけれど、ぼくは病院に行くのに欠席してしまった。文化祭の次の日、その貼り絵を見たかったので「誰か知らないかな」と思い、周りに聞いても「もうないらしい」とか、「綺麗かった」とかで悔しかったです。写真があれば是非見たいです。(ひでき)
 最初、貼り絵作業をしていた時は、何を作っているのかも教えてもらえずに、ただ貼っているだけでつまらなくて、いやっだった。けれど放課後残るときに見たら結構良いと思った。文化祭で見たらやっていてよかったと思った。(てっぺい)
 正直言って、こんな紙をただ貼っていって何がおもろいねんと思った。作業が進むうちに、何ができるのか楽しみになってきた。細かいペースのところや大きなピースのところをしていると余計に楽しくなってきて、早く完成しないかな、と思った。そして1組と5組でやっていると聞いて、もしかしたら大変なものになるんかなと思った。・・・[作文途中](けんじ)
 僕は今年の文化発表会の準備にあまり取り組めなかった。それは、十一月の初旬頃から10日ほど学校を休んでいたからで、とても残念だった。1、2年の時は劇をやったり、ビデオ制作をしたりして楽しめたのだが、気分的にもまいったりして、おまけに医者に行く始末。ぐすん(まさかず)
 一番最初は何ができるか分からなかったけど、作るにつれて段々楽しくなってきた。自分では文化祭まで楽しみながらやれたので、本当に嬉しかった。展示と決まったとき本当はすごくいやだった。展示は劇に比べると面白くないと思っていたのでやりたくなかった。でも、完成したときの喜びと、あんなに大きな物ができるなんて自分でも思っていなかった。最後の文化祭には、最高の展示だったと思う。(よしあき)
 文化祭の一日前まであんなに立派にできているなんて全く想像もしなかった。作業をしていたときに、その完成前の段階を見てびっくりした。紙で作ったのに、どうして一人一人があんなに似ているかな????。卒業アルバムに載せると思っていた写真が、あんなに素晴らしく変身して感動した。(じゅんじ)
 作っているときは何を作っているか全然わからなかったが、文化発表会の当日にその作品を見てびっくりした。小さい折り紙を台紙に貼っていてこんなにいいものができるとは思わなかった。そのモザイクは、はっきりと誰かわかるものと、少しわかりくい部分があった。でも、とてもいい作品だと思う。みんなが協力し合って作ったモザイクアートこれまでで1番思い出に残ると思う。(さだはる)
 なかなか迫力があって、みんなのそれぞれ顔が、ビックサイズで面白かった。初めは何を作ってるかわからなかったけど貼り合わせると、段々わかってきた。そこのところが、なかなかよかったと思う。(しょうたろう)
 最初は何を作っているのかと不思議に思い、誰に聞いても知らないと言うばかりだった。全然何が出来るか分からないのに、貼り絵をしているときは結構楽しかった。そして、完成品を見て自分はこんな物を作っていたのだと実感できた。(よしひこ)
 最初は何を作っているのかわからなかった。ただただ糊でつけて貼っての繰り返しだった。先生に「何ができんの?」って聞いても答えてくれへんかった。けど最後の日に残って手伝っている時に、みんなで作った紙があって、遠くから見ると、顔が見えた。特にI君の顔が一番印象に残っている。自分らで作ったのが思ってたよりすごかったのでうれしかった。(ともき)
 作っているときは何を作っているかわからなかったけど、文化発表会の当日廊下を歩いていたら、校舎に僕たちの写真が貼ってあってびっくりした。ひとこと・・・作ってる時に教えろやー。たんに〜ん(くらみつ)
 作業中、先生に訊いてもヒントもくれなくて、いったい何ができるのかとブツブツ言いながら作業をしていた。そして文化発表会の時に、あの時撮った写真の絵であることが、初めてわかった。しっかりとみんなの顔が分かるぐらい作品ができているのでとても驚いた。最後の文化発表会でこんな作品ができてよかったと思う。(たかのぶ)
 折角作ったのに当日は風邪で休んでしまった。長い日にちをかけた作業は、貼るのがとても面倒くさかったし、糊がブレザーにひっついて、白くなってしまった。それでも楽しかった。最後の文化発表会でこんないい作品ができて、本当によかったと思う。やっぱり最後だったから、休まずに見に来ればよかったなぁと思う。(さとる)
 あんなにリアルなものができるとは思わなかった。自分の顔がはっきりとわかった。やっぱりみんなで力を合わせればあんなにでっかい作品も意外と簡単にできるものと感心した。(りょういち)
 最初は作業が厭やなと思った。でも何回かやるにつれて楽しくなってきて、どんなもんができるのかなと思いつつ紙に折り紙を貼っていきました。そして文化発表会の当日、僕は朝早く学校にきて屋上から吊り上げるのを手伝いつつ、・・・・感激(たかみち)
 1枚1枚小さな色紙を貼っていて大変だったけど楽しかった。早く出来上がりが見たいと思ったら作業も早く進みました。そして、とても綺麗に出来ていてよかったです。友達の顔もすぐに分かりました。作業はしんどかったけど、とても良い作品が出来たのでよかったです。(たつや)
 文化祭で作ったモザイクアートは、かなりよくできたと思います。何ができるか教えてもらってなかったから、できあがるのが楽しみでした。高校生活最後の文化祭には、もってこいのアイデアだったです。楽しかった。(たつや)
 最初はだるいだけの紙貼りだと思っていたけど、できてから見ると、まあまあよくできたと思う。ちゃんとみんなの顔とかがわかるぐらいのものになっていたからだと思う。(たつき)
 最初は正直言って乗り気じゃなかったけど、やっていくうちに楽しくなってきて、気がついたら終わってた感じだった。何を作ってるのか分からなくて、聞いてもまともに答えてもらえなくて、ちょっとすねた(笑)。居残りの時、初めてちょっとやけどでき上がりを見せてもらったとき、「作って良かったな」と思った。あんな訳のわからん紙を貼っただけやのに、一人一人の表情がきれいに写っているのはびっくりしたし、ちょっと感動した。早く全部つなぎあわしたのが見たかった。文化祭当日、中庭にあるの知らなくて偶然通りかかって見たときは本当にびっくりした。あれがもうちょっと小さかったら持って帰ろうなんて思った。とにかく良かった。(さちよ)
 最初は、何を作るがわからなかったけど、教室の一番はしにある部屋に行って初めてわかった。まさか自分達の写った写真が肖像になると思ってもいなかったから意外だった。けど、みんなで喋りながら作ったから面白かった。今年、最後の文化発表会で結構いい事をしたような気がする。最初は紙を渡されて何もわからないままやってたけど、後でわかったときがよかった。(しゅうこ)
 小さな折り紙であんなに立体的な絵に仕上がってとてもびっくりした。顔の表情もよくでていて、ひとりひとりが誰なのかはっきりとわかる。みんなでHRの時間に何十枚もやって頑張った結果だと思う。(かよ)
 3年間の中で一番印象に残ったと思う。すごく感動したし、あのモザイクを見た時は、いい出来映えだったので、何となく嬉しかった。本当に大変だったけどよかったと思います。(さとみ)
 私は始め、紙を渡されたとき、何がなんだかわからんかった。先生のヒントは全然わからへんし、何かの絵だということは分かってたけど、まさか自分達の顔になるなんて思いもしていなかった。先生は、「貼っているうちに分かる」っていってたけど、全然分からなくて5組の人に聞いてみると、何と私たちの顔だと聞いて驚いた。でも思い出に残っていいと思う。(えつこ)
 初めは、何を作っているのかわかりませんでした。出来上がるにつれて何を作っているのかわかってきて、とても驚きました。遠くから見たらはっきり見えて感動しました。私は、1年の頃から文化発表会にはあまり参加したことがなかったので、今回は楽しい思い出になりました。(あい)
 “〜感動〜”っていう感じです。最初は何をやっているのか、わからなくて、おもしろくなかった。・・・でもーーー! 見たときは「あぁ」って。「私がおるーーー?!」ってみんなで騒ぎました。素敵な思い出をありがとうございました!(けいこ)
 すごくきれいにできていたと思います。みんなで一生懸命作ったので、かなり満足です。初めはあんなにきれいなものができるとは思っていませんでした。でも一人一人ちゃんと顔もわかるし感動しました。貼り絵もなかなか楽しかったし、よかったです。できればちゃんと残していてほしかったです。(りえ)
 「めちゃめちゃうれしかった。」っていうのが今の気持ち。セーラームーンとかいってただけに、あの出来上がりを見たら誰でも嬉しい。結構、一生懸命やったつもりやから、あんな折り紙が写真みたいに見えるなんて、感動もんやで!  写真も撮ったしな。修学旅行も楽しかったけど。結構思い出に残ると思う。捨ててしまったのは悲しかったけど、でもよかったで、ほんまにありがとね先生。(かおる)
たった一日のために頑張る美学
 文化発表会の全ての予定が終わり、午後三時に片づけなければならなくなりました。残念ながら、それがあまりに大き過ぎたため保存することはできないと判断し、廃棄する決定をしました。
 翌日「あれは、どうしたの?」「えっ!捨てた?」「もったいない」と避難する生徒たち。「たった一日のために頑張るところに美学がある」なんてごまかした話をしましたが、廃棄して残念だったのはこっちも同じだよ!(新聞一面記事より)

充実感にバンザ〜イ
文化発表会の当日。初めて完成した作品を見たときのみんなの驚きを想像し、ワクワクして過ごした1ヶ月でした。「ヒミツ」が最後までバレなかったということは、凄い計画が、最高のチームワークで実行されたからだと思います。私の役目は「ヒミツ」にされたままなのに一生懸命作業をするみんなに「ええんちゃう」、「できるで!」と言うことでした。そして、モザイクアートが完成し、朝陽に本当に輝いて全貌を現したとき、「皆、早よ見においで〜」と叫びたくなるくらいの感激を覚えました。
何をやっているのかわからなかったけど、凄いのを作っとったんやな」の感に始まり、それぞれなりの充実感や、満足感を全員が味わうことができ、最後を飾れる文化発表会でした。
「みんな・ようやったね。バンザ〜イ!!」(1組担任 T)

編集後記
 またまた、騙しちゃったかな?「学級新聞」にまとめるなんて言わないで、みんなに作文させちゃって。本当はアンケートをとるだけのつもりだったのですが、あまりにみんな上手いこと書いてくれているので、一つのものにまとめて私自身の宝物にしたくなったというのが本音です。
さて今回最初にみんなを騙したのが作品内容のことでした。でも、何ができるかわからないのに一生懸命取り組んでくれたのは驚きでした。それだけに完成したものがみんなの期待を裏切らなかったことが、私自身の感動したことの1つであり、当日のみんなの感動している姿がもう1つの感激でありました。
最後に、もし今年の発表会で何か感じたなら、折角ですから「学級新聞(12月号)」も「卒業アルバム」にはさんで残しておいてほしいな。(5組担任 M)