制作ノウハウ特集 (2009.5.5掲載)

ピクセル点貼画のFAQ

FAQについて・・・

HP開設まもない頃のメールでの会話を掲載しました。申し訳ありませんが、以下の記事元はかなり古いものですのでご了解ください。(確約できませんが、「ノウハウ記事集」に新しい情報を今後も追加していくつもりです。)


画像のサイズの決定・作業能率について

図案によって変わるとは思いますが、どのくらいのサイズにすればいいのか迷っています。
 サイズ決定の要素は展示場所の大きさ、画像の解像度など色々あると思いますが、一番の要素は集団の作業能力ということになります。
 つまり、どのくらい人数がどれくらいの作業時間をとれるかということになると思います。
以下の数字を参考にして、最大ピクセル数を決めるといいと思います。
計算する上でB4用紙を140ピクセルとします。
生徒一人当たり50分のホームルームで、B4用紙で2〜3枚です。
(かなり抵当ですが・・・概算の平均はひとり2.2枚/hです。ただし、片づけ時間も50分の中に入っています。)

1ドットの色紙の大きさについて

紙の一片のサイズは2.5cmしかダメですか?
 1片の大きさは結論からいうと、2.5cm×2.5cmがベストです。
 まず、1片が2.5×2.5より小さくなった途端に生徒は作業能率がガクッと落ちます。(細かくイライラすることもあります)。
また、色紙を裁断することが困難になります。(2.5×2.5でも学校の裁断機で切るのは難しい。それ以下は切れない)
ということで2.5×2.5がおすすめなのです。
結局、サイズを決めるというのが、作業の最初の決断です。

紙の一片のサイズは2.5cmしかダメですか?
 根本的な問題ですが、1cm×1cmの細かい作業で苦労した作品も、結局3m四方の壁画に仕上がっても、感動は薄いと思います。同じピクセル数を2.5cmのピースで作っていれば、7.5m(面積6.25倍)の作品となり、見る人をアッと言わせることができます。
 「大きさで圧倒する」というテクニックだけでなく、荒いピクセルは完成の直前まで作品の仕上がりが分からないドキドキ感もあります。
 あくまでも管理人の私見で、極論ですが、細かい作品ならわざわざ人の手で行う意味がなく、(何枚も分割しなければならないものの)プリンタで印刷すればいいのです。1mm×1mmにすればもっともっとキレイなはずです。
 平面な作品である限り、プリンタで印刷するような量を超えたサイズに意味があると考えます。是非大きい作品を目指してください。

モザイクの作業に必要な道具

壁画作成で必要なものは何ですか?
 大量の糊です。
 色紙は色別に100枚入りのものが、特定の業者(学校出入りの業者)が扱っているのでそこに頼みました。
 同時に糊が確か2kg入り(小さいポリバケツの様な入れ物入り)を5,6個購入しました。(もしなければ、昔の液体でない洗濯のりでもいいと思います)。とにかく、文房具の「のり」や「スティックのり」とは使用単位が違います。
 なお、糊は湯で2倍くらいに薄めてサラサラにし、それを各自の「おわん」に分けて使いました。
それぞれに、刷毛、筆があると便利です。

 台紙は普通のB4を使いました。
2.5cmずつの線を引いたものを輪転機で増し刷りして、(片側の端がB4用紙の端にそろうように印刷する必要があります)、それに貼っていきました。
用紙番号は裏に手で記入。
B4用紙とB4用紙をつなげるのも基本的に「のり」でした。テープ等は本当に補強のために裏から使用しただけです。乾いてみるとわかりますが、糊の利いた紙は結構固いです。
よく聞かれる雨対策ですが、正直なところ、考えてなかったです。(当時全く余裕がなかったです)

吊し方について

完成後の壁画はかなりの大きさですが、どのように1枚の壁画にまとめたのか。
補強するものを後ろに入れたのか?
7本のロープで引っ張り上げたとありますが上部は何か補強したのか?壁画作成で必要なものは何ですか?

 実物は本当に台紙のみです。布を用いたりしていませんが、結構、糊で紙も丈夫になっています。補強には紙のつなぎ目にPPPテープ(荷造り用の透明な大きなセロテープのようなテープ=安い&丈夫)を貼りました。補強はそれだけです。
 上端の横棒は竹を使いました。ただし幅も広かったので竹も3本をつないで(竹の穴に、次の竹の先端を差して、針金で止める)、それに絵を固定しました。
 7本のロープというのは、引き上げるために用いただけです。引き上げた後は、屋上の手すりと竹を何カ所かでくくったように思います。
(この第1作目の反省は、できるだけ軽い方が破れないだろうと考え、下端に棒を入れなかったことです。この結果、風により、よくめくりあがりました。
 第2作目の以降は、上端、下端に水道管の塩ビの棒を用い、うまく改善できました。)

減色上の注意

減色する上での注意は?
注1)いろがみの色は製造メーカーによって、色合いなどがかなり違います。そのいろがみに合わせた画像処理が必要になります。
注2)パソコンで使われる基本8色や16色で減色すると大失敗します。
   「水色」を例にするとパソコン画面上の(光の)水色と、実際の紙の色とは全く違う色です。
   
    左の色はパソコン画面の「水色」。
    右の色はいろがみの「水色」。(イメージ)
   信じられないかも知れませんが、この画面の横に「いろがみ」を並べてみてください。
なお、この差による問題は全ての色に起こります。

吊し方について

ここから我々の前に大きく立ちはだかる問題は、この壁画いかにして吊り上げるかということです。
私たちは竹を使いましたが、近くに(学校に)竹しかなかったのでそうなっただけです。もし長いポールがあれば、その方がでこぼこがなくていいと思います。
制作した巨大絵の上部にさらに「50cm(?)ほど×モザイクの横幅」の紙を付け足して「のりしろ」的な部分のついた状態にします。「のりしろ(=べつに糊をつけたわけではないですが)」部分は洗濯糊で3重の厚みにして片面を布テープで補強しました。
その「のりしろ」をポール(竹)に巻いて(添付画像)、図のように布テープで固定しました。
完全に竹を巻き込むように(「のりしろ」を完全に竹の円周に合わせるように)するよりも、図のように紙に遊びを持たせた方がいいと思います。
次に固定用紐を数カ所につけておきます。(これは、竹の円周にあわせて縛ります。もちろんその部分の紙に穴をあけて通します。)
吊り上げは屋上からロープを3、4カ所くらい垂らして、それに固定紐を仮にくくりつけ、ロープを同時に引っ張って、モザイク上端を屋上まで上げました。数カ所付いている固定用紐を、ロープを引っ張ってもらってる間に、手早く屋上手すりに固定しました。これだけで、もう引き上げ用ロープはお役ご免です。

色紙の切断

色紙は一枚ずつ切るしかないですか?
これは、ある中学校の先生からいただいたメールです。
>苦労したのは,色紙を切る作業です。裁断機で私が切ったのですが,なか
>なかうまくいかないものです。「業者に切ってもらった」という報告があった
>ので,探したのですが,日にちも迫っていることから自分で・・・と思ったの
>ですが・・・
>そこで思いついたコツ
>@ 色紙をそろえる  
>A そろえた一辺にボンドをうすく塗る
>B 紙ばさみでとめて,しばらくおく   ・・・・メモ帳のようになる
>C それを,ボンドでとめた一辺を含むように2.5センチ幅に切る
>D Cをさらにボンドでとめたところを最後に切るようにセットして,2.5センチ幅に切り進む
>これだけなのですが,一辺が止まっているだけで,色紙のばらつきもなく,
>見事に,切ることができました。ボンドでとめたところも,色紙を,きちんと
>そろえて,よく押さえつけてからボンドを塗れば,まさにメモ帳のように,
>剥がれて,とてもいい感じで使えます。

集合写真の選び方

集合写真にしましたが、どうでしょうか?
写真を拝見して、画像処理以前の段階の検討が必要だと思いました。
残念ですが、「集合写真」の場合は、「顔」のピクセル数を如何に確保するかということがポイントになります。
集合写真の難しい点は、全体に対して顔が小さくなることです。 (1人の顔のアップだけの壁画でしたら、顔に4、5万のピクセルを使うことができるのですが、集合写真では150ピクセル前後となります)。
仮に全体が10万ピクセルだとすると、如何に顔を大きく見せるかがポイントになります。結局、写真にもよりますが、トリミングが必要になります。
(修学旅行写真から背景の風景を泣く泣くカットしたり・・・他校の多くの集合写真はそうなっています)
個人を認識させるには「顔重視」は間違いありません。たとえば、立って並んでいるより、しゃがんで並んでいる方が無駄がない(相対的に身長より「顔」が大きくなる)。 4列で並ぶのであれば段差が大きいより小さい方がいい。など、いろいろと工夫がありますが、少なくとも、整列するとき(等間隔とはいいませんが)、 広がらないようにすることだけは、撮影時に気をつけて下さい。また、長方形に並ぶことが大切です。
つまり、顔を重視するなら、ギリギリまで上下左右をトリミングしてしまうことをオススメします。また、前列の生徒の下半身を思い切ってカットしてしまうと、さらに(相対的に)顔が大きくなります。
つまり、長方形に並んでいない場合は、床(階段)を作るために沢山の労力を使わなくてはいけないということです。




これから制作する方へ