島根県出雲西高等学校体育大会作品
★出雲大社★
島根県にある私立出雲西高等学校の校舎壁面に発表された作品は出雲のシンボルでもある「出雲大社」でした。体育大会の保護者観覧用の企画として制作されたということですが、地元でも大評判になり一日延長して展示されたということです。当日は、体育大会があるため、早朝6時からの展示作業となりました。出来栄えは想像よりもはるかにきれいで、その巨大で精巧な作品に目を奪われました。マスコミ各社の報道も手伝い、盛況により、翌日午後までの延長展示披露となりました。目的の通り、生徒と教員が『感動』する企画となりました。
マスコミでの紹介は・・・
〇TV⇒NHK(「明日の動き」としての文字紹介)、山陰放送(夕方の番組にて放送)、山陰中央テレビ(夕方の番組にて放送)、日本海放送(夕方の番組にて放送)、出雲CATV(2日間に渡り、繰り返し放送)
○ラジオ⇒NHKラジオ報道
○新聞⇒産経新聞、山陰中央新聞、中国新聞、島根日日新聞
モザイクアート製作過程報告〜出雲西高等学校教員レポート〜 生徒会課担当 上代昭文
9月5日の本校体育大会で、保護者観覧用として、念願のモザイクを展示することができました。これも、各方面のご協力の賜物と感謝しております。特に、大阪府立守口北高校のM教諭には、一から十まで面倒をみて頂きました。また、完成したモザイク画像の表面加工においては、武蔵野女学院中学高等学校のK教諭に、ご指導頂きました。この場を借りて、感謝申し上げます。
経緯ですが、1年ほど前に、ホームページにて文化祭の企画として、この「モザイクアート」の企画が紹介されており、自分のクラスにおいて、いつか、実施したいとかんがえておりました。そんな中、今年、担当が生徒会となり、学校全体の企画として実施することにしました。途中、画像処理の複雑さにより、何度も諦めかけましたが、大阪府立守口北高校のM教諭の励ましにより、約3ヶ月間の時間をかけての原画の完成となりました。以下、具体的な作業を紹介します。
- @原画のターゲットの検討。
- 「島根県」というよりは「出雲」という方が、全国発信を考慮した際、解り良いのでは?また、絵画風のものよりも写真風のものの再現を取り組んだ方が、インパクトがあるのではないか?この様な観点により、「出雲大社」がターゲットに選出される。
- A画像処理の概要。
- ・ダミー画像の作成⇒ダミー画像の減色⇒パレットの作成⇒目的画像の作成⇒目的画像のトリミング⇒輝度、明度調節⇒サイズ変更⇒パレット交換⇒テキストにより文字の挿入⇒ズーム⇒キャプチャ⇒印刷⇒漢字変換(大阪府立守口北高校のM教諭の協力による)⇒プリントアウト⇒色数の確認
★最終的には、350×252=88200ドット(9色)
88200÷140=630枚(B4)を考えた。
- BB4用紙へ、(横10、縦14)ドットの2.5センチ間隔のグリッド線作成作業。
- B4のコピー紙に、縦14×横10ドットの縦横2.5センチのグリッド線を入れる。この作業は、一枚の完成した用紙を輪転機で生徒数分ほど複写することにより、作成した。ただ、新発見であったことは、コピー機による複写と、輪転機による複写のサイズが微妙に異なるのである。輪転機は、多少、縮小されて印刷されることがわかったので、あらかじめ、大き目の罫線を入れた(というより、実際には、やり直した)。
- Cセル番地の挿入。
- 漢字変換された「設計図」とBで作成した、グリッド線入りの「B4コピー紙」のそれぞれに、同じ、セル番地をそれぞれの裏面に記入していった。630枡もの「設計図」と630枚もの「B4用紙」への記入が必要であり、時間がかかることが想定されたが、実際には、1時間程度で完成した。
- D設計図の完成。
- Cで作った、セル番地入りの「設計図」を、そのグリッド線にあわせて切断し、全校生徒分の「設計図」の完成。
- E色紙の準備。
- ・必要な色数を基に、購入すべき色紙の枚数を計算。
「みずいろ」⇒18875ドット÷36=524.3(6パック)
「くろ」⇒16630÷36=461.9(5パック)
「あい」⇒4483÷36=124.5(2パック)
「ちゃいろ」⇒10930÷36=303.6(4パック)
「きみどり」⇒1271÷36=35.3(1パック)
「しろ」⇒注文せず(13704)
「くちなし」⇒673÷36=18.7(1パック)
「ぼたん」⇒350÷36=9.7(1パック)
「灰色」⇒21284÷36=591.2(7パック)
・購入した色紙を2.5センチ四方に切断作業。しかし、この作業が以外にも時間を要してしまった。生徒にさせればよいのであるが、さすがに8万枚にも及ぶものを、はさみでは不可能と考え、学校の裁断機を利用しての作業にした。この作業だけで、1週間を費やした。
・各切断された色紙を、ナイロン袋に小分けし、全クラス分に分配した。
- F糊の準備。
- 2kg入りの水性糊を6個準備⇒2倍に希釈して⇒1クラス5個のスチロール製のおわんに分配(全校分20クラス分作成)。
以上が、こちらでの準備の概要です。ここまで来るのに、大変な労力と時間を費やしました。後は、全校での貼り付け作業と、それに続く組合せ作業とな ります。以下、LHR当日以降の作業を示します。
- @LHRの時間を利用して、設計図を基にした全校一斉の色紙の貼り付け作業。
- A生徒会生徒と共に、画像確認作業。
- これは、夏休みを返上してやりました。実際に、88200ドットを確認しました。中には、わざわざ「白」の色紙の変わりに、有色色紙の裏を貼り付ける生徒や設計図の行を飛ばして張る者など、意外な間違いがありました。(白は何も貼り付けません)
- B廊下にて、画像の裏面のPPPテープ固定。
- 結構、時間と神経を使いました。630枚のB4用紙が、風で飛ぶのを防ぐため、窓を締め切っての作業でした。ちなみに、この作業は7月の第5週で行ったため、脱水にならないことだけを考えていました。特に、今年は猛暑で、じっとしていても汗が滴り、画像が汚れることが心配でした。生徒には、1時間に1回のこまかい休憩と水分補給をさせました。最終的には、全体の画像の10分の1の画像にまでつなぎました。
- C台紙(ダンボール)作成作業。
- 先ず、Bで用意した、10分の1画像と同じサイズのダンボール台紙を10ブロック分作成しました。経費をかけないことが、目的の1つにあったのでダンボールは、ホームセンターで貰いました。従って、様々なダンボールをつなげ、平たい台紙を作るのに、かなり時間がかかりました。
- D台紙への画像の貼り付け作業。
- 糊を用い、貼り付けました。
- E台紙付きの画像、10ブロックの糊しろ、及び上部フック(竹を通すための)の取り付け作業。
- 糊とガムテープで取り付けました。
- F屋外にて、画像のつなぎ合わせ作業。
- 前日の朝から作業をしました。
- Gロープ、フック、および滑車の取り付け作業。
- 前日の作業です。
- H完成画像の引き上げリハーサル。
- 前日の作業です。この時、サイドが弱いことが判明し、緊急で補強しました。また、意外に画像が強いことも解りました。
- I完成画像の引き上げ及び校舎への固定。
- 当日は、風も無く晴れました。引上げ作業は午前6時過ぎからの開始でしたが(当日は体育大会が予定されていたため)、約30分で引き上げが完了しました。前日のリハーサルが良かったようです。
以上が、全体の作業概要になります。上述もしましたが、大変な作業の繰り返しでしたが、完成した時の『感動』は一入でした。本当に、大阪府立守口北高校のM教諭には、感謝しております。そして、以下に生徒の感想を入れますがこの企画が生徒にとって、とても心に残る、すばらしいものであったことを痛感しております。
生徒の感想 〜モザイクアートに取り組んで〜
・初めてのことで戸惑いはあったが、予想以上にきれいにできた。
・全校が1つになれた気がする。
・感激しました。
・生徒会の皆さんに感謝しています。
・1日で降ろすのは、もったいない。(⇒2日展示披露になりました。)
・クラスで色紙を張っている時には、こんなにすごい写真ができるとは想像していませんでした。
・みんなにみてもらいたいです。
・作業が大変でした。(生徒会生徒)
・近くで見ると、ドットがチカチカして、よく解らないが、離れるとしっかりと画像ができていて感動しました。
・ミレニアムにふさわしい、一大イベントになりました。
・この思い出は、一生忘れません。
など多数の感動の声を聞きました。
今回の企画に関して、本校ホームページにおいても紹介をしています。
URL ⇒ http://www.izumonishikou.jp/index.htm