岡山県苫田郡加茂町立加茂中学校文化祭作品

★3年1組の肖像★

 岡山県の加茂中学校の壁画はクラスの集合写真。修学旅行の時に長崎で撮影した写真を元にして作られた作品です。
 制作作業は夏休み中から始まり、細かい1.5a四方のチップでの作成のため、みんなかなり苦労したようです。
 文化祭当日の天気は残念なことに朝から雨。外に吊すことはできなかったということですが、体育館内で2階から吊して発表。完成したものを見てみんなで喜び合ったということです。


準備・制作の流れ
8月下旬:下準備
 実行委員の生徒6人が台紙に1〜10の色番号を記入。台紙はB4用紙に1.5cm四方のマスを23×16書き、2辺の余白をのりしろにして、250枚用意。
 色紙を1.5cm四方にカット。メーカーで色が違うので、近いもので代用。カット方法は色紙を束ねたものの向かい合う2辺を木工用ボンドで固定。一番上に重ねて固定しているマス目をひいた紙を目安に裁断機でカット。指をカットしないように細心の注意を払う。(ハサミで切るよりずっと早く、より正確にカットできます。木工用ボンドもきれいにはがれます。)
9月5日〜16日:貼り作業
 実行委員がクラスのみんなに作業を説明。一人あたり台紙6枚の割り当て。カットされた色紙を色別にタッパーに入れて教室に置いておき、生徒が自分に必要なだけ色紙を取り、貼る作業をしました。しかし、さすがに1.5cm四方の紙を100枚、200枚と数えるのは大変根気が必要で、中にはおおざっぱに大量に取っていく生徒やぼろぼろ床に落としてなくしてしまう生徒が増え、色紙が足らなくなってしまう事態が発生。必要数よりかなり多めに買う必要がありました。
 最初の1週間は生徒たちも滅入っていました。しかし、締め切りが迫るにつれ、みんな家に持ち帰ったり、短い休み時間を利用するなど、スパートをかけていきました。「1枚でも無かったら完成しない」という事実が、みんなを後押ししました。
9月18日〜21日:台紙貼り合わせ
 なんとか出来上がった250枚の台紙を少しずつ貼り合わせて最終的に21日に横25枚×縦10枚のものが出来上がりました。1つの教室でできるぎりぎりの大きさでした(横8m×縦2.4m)。
 作品の上部は段ボールで補強し、それに1m間隔で穴を開けロープを通しました。当初の予定では教室の外のテラスの軒下に吊す予定だったので翌日の本番に備え、吊り下げようとしたところ、糊で貼り合わせた台紙の境目がガムテープで補強していたにもかかわらず剥がれたり、また生徒が家に台紙を持ち帰るときに折り曲げた部分が破れたり、そして糊付けしているはずの色紙がぽろぽろ剥がれたりと、予想外の出来事が多発しました。副担任の先生方がこれを見て、幅広の透明のビニールテープでモザイクの表面を補強することを提案してくれたり、ロープが段ボールの穴から切れないように板での補強をしてくれたりと大変助かりました。前日に吊してみてよかったです。
9月22日:本番
 天気は朝から雨。展示場所は軒下ですが、つり上げの作業でどうしても濡れてしまう恐れがあり、また予報でも大雨注意報が出ていたので外に吊すことは断念。急きょ体育館の2階から吊すことにしました。
 午前中の舞台発表が終わり、昼の展示の時間に吊り上げ作業。みんなこの瞬間、作品に見とれてしまいました。見に来られていた保護者の方々も「家で貼りょうったのを見て、何が出来るんじゃろうと思ようりました。すごいもんですね」と一様に驚嘆されていました。表彰では「山下清もびっくりで賞」という洒落た賞を頂きました。みんないい顔をしていました。


作品データ

2000年9月22日発表
岡山県加茂町立加茂中学校3年1組
モザイク壁画
565×155(ピクセル)×10(色)